「気」と「業」と「健康」:天真修祓に行ってみた

一歩先の健康へのカギ:「気」と「業」
心と身体を健康に保つためには、食事と生活習慣、運動、睡眠にきちんと気を使うことが非常に大切だ。しかし、これらだけでは到達できない、科学や現代西洋医学を超えた、さらなる健康というものが、実はある。その健康を手にすると、身体からエネルギーがみなぎり、コーヒーを飲まずとも頭は冴え、集中力が長時間続き、おまけに睡眠時間まで少なくて済むようになる。どうすればそんな異次元の健康を手に入れられるのか。それは、人の健康の根幹を成すものに目を向けると見えてくる— 東洋医学の「気」である。


「気」というのは、ザックリいうと、生命エネルギーのことである。自然界に存在する全ての物質の根本的な構成要素であり、 世界最古の書物とされる古代インドのヴェーダなどの経典の中では「プラナ」と呼ばれ、現代の量子物理学でいえば「素粒子」と同じだとも言えるかもしれない(1)。この「気」が細胞一つひとつに宿っていて、その生命エネルギーが集まることによって、身体の中で大きなエネルギーの流れ (その通り道が「経絡」と呼ばれる) を構成しており、それが人の自然治癒力の原動力となっている。また、火力や水力と同じように、気には「量」「力」「方向性」「循環性」という特徴があり、そうした要素が「正常」に組み合わさるときに、自然治癒力が最大になる。この気を、本来あるべき流れや量に戻すための手段として、気功、鍼灸、指圧、霊気、整体、足つぼマッサージなど、様々な東洋医学療法がある。つまり東洋医学の本質は、西洋医学のように「外側から無理やり治す」のではなく、「内側から自然に治ってもらう」ことにあるのだ(2)。


そんな東洋療法の中でも、とりわけユニークで、抜群の効果を生む治療法がある。「鍼灸天真治療院」の鶴田天真さんが行う、「天真修祓」という治療法だ。これは、二指強擦法と呼ばれる、二本の指でTシャツの上から体幹部の皮膚を強く擦っていくことによって、身体の奥で気の流れを狂わせ、阻害する原因となる「業」と呼ばれる因子を、体表へと掻き出していく技術を用いたものだ。皮膚をこする治療法といえば、インドネシアの民間療法で、体表をコインで擦りまくることで風邪などを治すクロック(Kerokan or Guasha)が思い浮かぶが、それとも全く別物らしい。


天真さんは、「業」を「肉体に溜まった垢」と表現している。「業」はいわゆる「カルマ」と同義で、これまで自分がやってきたの全ての悪行から生まれた「負の蓄積(3)」と言い換えられるかもしれない。この「業」には、自然治癒力を弱めてしまう働きがあるので、これを落としていくことで、気の流れが正常に近くなり、自然治癒力を上がって、健康度がアップする、というのが天真修祓の理論である。

今回は、一歩先の健康を手にするために、私自身が「鍼灸天真治療院」に行ったときの体験記と、実際にあった効果について書いていきたい。

体験記
五反田のマンションの一室である鍼灸天真治療院の扉を開く。出てきたのは、半袖白衣を着た、坊主頭の天真さん。60歳を過ぎておられるが、目には力がこもっており、小柄ながら体格もガッチリとしていた。目線を下ろすと、なんと彼の足は、両足ともに太い縄でぐるぐる巻きに縛られている。太い縄跳びの縄のようなものが、五本指の間を縫うようにしたあと、足の甲にもガッチリと巻きついけられている。これは何なのかと聞いてみると、一種の健康法らしく、縄で縛った方が足元のバランス感覚が良くとれるのだとのこと。初対面の時点から、ある意味で山伏を彷彿とさせる姿だった。


「コロナのこんな時期に申し込んでしまってすみません。」と言うと、「いや、逆にこの時期にやったほうが良いんですよ。免疫力上がりますからね。」と返ってきた。


中に案内されて着替え終わると、話も特にしないまま、すぐに施術が始まった。着るのは白いキメの細かいTシャツ一着と下着のみ。初回だったので、まず私の体調を調べるところから始まった。腕や足を動かしたり、仰向けに寝転がって脚を立てて横に倒したりと、単純な動作を一通り行い、特にインナーマッスルに力が入れられているかを診られている印象を受けた。


一番不思議だったのは、私が右手の親指と薬指の先っぽで輪っかを作って、それを引っ張られるエキササイズだ。私の身体にはほぼ触れずに、身体の周りの空間を指先でつまむようにしてから、右手の輪っかの親指のあたりを引っ張る。このとき私の手に力が入っていなければ、薬指と親指が離れて、輪っかが切れてしまう。身体に直接触れていないのに、周りの空間をつまむ位置を変えるだけで、右手の指先への力の入り具合が大きく変わる。おそらく身体の周りにもなんらかの「気」の流れがあり、その中でも特定の「ツボ」となる部分を調整していたのかもしれない。(4)

10分ほど私の身体の検査をした段階で、一言こう言われた。


「基本的に悪いところはないんだけど、右肺と膀胱がちょっと弱い感じですね。おしっこちょっと近かったりしますか?」


あまりにも的確な指摘に、正直かなり驚いてしまった。私の体幹に触れていないのに、なぜそこまで分かるのか信じられなかったが、この段階でかなりこの施術に対する信頼が上がった。その後、天真さんは少しメモをとってから、短いお祈りを口にしてから、本番である天真修祓に入った。


天真修祓は正直マジでかなり痛い。治療院で渡されたTシャツの上から、指でとにかく体幹をまんべんなくゴッシゴシと擦られる。最初は擦られることが心地良かったり、くすぐったかったりしたのだが、徐々に痛みが出始めた。痛みが強く出る所とそうでない所があるのだが、特に骨ばっている部分や、皮膚が薄い部分、皮膚が敏感な部分には痛みが出やすく、私の場合は、胸骨・あばら周り、脇腹近く、胸骨周り、背骨周り、頸椎周りなどを擦られているときに、皮膚の同じ箇所をなんどもなんども擦っていったときに感じられる、焼けるような痛みを感じた。痛いところほど溜まっている業が出てきているらしく、そこを重点的に、何度も、長い間擦り続ける。痛いと思ったら、そこから数十秒間は同じ箇所を擦られると覚悟して、諦めた方が良い。この間、痛みに反応して身体の筋肉に力が入ってしまわないよう(個人的にそうなると施術の邪魔になるのではと思ったため)、痛みはできるだけ口を開けたり、表情に出すだけに留めた。それでも、痛みに耐えているうちに、身体が火照ってきて、全身からゆっくりと汗が吹き出てきた。

背筋のあたりを重点的に擦られている時に、天真さんがふと口を開いた。

「あなた、いろいろものとか大事にしちゃうタイプでしょ?給料とか入ってきてもパッと使わないで、大事に貯金とかする傾向あったりする?」 「意外と疲れが溜まってますね。内臓器もちょっと弱ってる。でも元が元気だから、知らない間に無理しちゃって、どっかでバタンと倒れちゃうってタイプなんじゃないかな?」


二つとも、図星であった。私から自分の体調などはあらかじめ全く伝えていなかったのに、なぜ身体を指で擦るだけでここまで分かるのか。全く検討が付かなかったが、天真さんの感覚が非常に鋭いことだけは間違いない。こうした言葉を聞くことで、施術への信頼度が増し、痛みに耐えるための理由となった。指で擦られる時間は合計でわずか20分程度だったが、私の中では1時間くらいに感じた。

その後は、施術台の上に座って、頭蓋骨の矯正をした。口を大きく開けたり、顎の骨を左右前後に動かす過程で、天真さんが私の頭蓋骨を両手で矯正するのだ。やられている身としては、全く何が起きているのかよく分からない。でも、この頭蓋骨のズレが矯正されるだけで、身体の自然治癒力が活性化して、消化器官の調子が元どおりになったり、その他の体調も自然と改善するらしい。(5)


その後、天真さんが仰向けになった私の後頭部を両手で持って、そこから背骨を通してエネルギーを注入していくという、ある意味でレイキ(?)に近い施術に進んだ。この施術の前には、少し長めの神道系のお祈りがあり、それが終わってから私の頭蓋骨を両手で持つ、という施術に進んだ。ゆっくりと、頭の方から手足の先にかけて、心地良いエネルギーが伝わっていくのが感じられ、気分が穏やかになっていった。クンダリーニ系の瞑想をされている方であれば、いわゆるプラナが骨盤の底部から背骨を伝って上がっていく感覚に近く、その逆流バージョンだと言うと分かりやすいかもしれない。


一通りの施術が終わったあと、少しお話をする時間があった。どうやら天真さんご自身はもともと鍼灸師なのだそうだ。天真修祓はプロの鍼灸師として働いているときに、「指で業を掻き出す施術をやっている人がいる」という話を聞きつけて、自らがお客さんとなって施術をしてもらったのがきっかけで、この道へ転向されたとのこと。今では天真さん以外でこの方法をやっている人はほぼいないらしい。習ったことをもとに、自分なりにもっと上手くできるようにアレンジも加えているのだそうだ。


かなり興味が湧いたので、他にもいくつか質問をしてみた。

「何回くれば業が落ちるんですか?」


「これは人によるんですけど、最初は一週間に一回くらいで来てもらって、何回かやったら、一ヶ月に一回、その後は一年に二回くらいの頻度になるって感じですかね。やっぱり普段の生活からも業が溜まるので、定期的にはやった方がいいということですね。今までで一番早く落ちた人は、三回で全て出きったんですけど、その人はお寺のご子息で、小さい頃から業を浄化するための修行をずっとやられてきている方だったようですね。」

「じゃあ、業を普段から溜めないようにするためには、どうすれば良いんですか?」

「悪いことをしないってのが一つありますけど、もっと単純なことだと、全身にお風呂に入るときに水を浴びるってのがいいですね。お坊さんとかが、山で朝水浴びしたりすると思いますけど、あれはすごくいいですね。暖かい水だと効果がないんで、できるだけ冷たい水を浴びなきゃいけないんですね。私なんか、毎日朝と晩に「ザブンッザブンッ」と水を浴びてますよ。やっぱり、こういう仕事してるとお客さんの業をもらっちゃうので、水をしっかり浴びないと、夜に頭がモヤモヤして眠れなくなったりするんですよ。」

「なるほど。じゃあ業を溜めないために、何か食事で気を使った方がいいことはありますか?』

「食物繊維の多い野菜をたくさん取ることですね。もし玄米だったら、水につけて発芽させてから炊くと、玄米の生命力も上がっていいですよ。肉は食べるとしたらできるだけ魚と鳥まで、人間に近い四つ足のものを食べるのは消化にも負担がかかって良くないみたいですね。菜食っていうのは業を溜めないためには良いですよ。」


質問のあと、丁寧にお礼を行って帰路についた。

施術の効果
私は食事や運動、睡眠、生活習慣、ストレスといったこと全てに関して、それまでかなり意識的に自分で実験したり、改善の努力してきていたので、自分の健康レベルはこれ以上上がらないのではないかと言えるくらい既に体調も優れており、元気だった。しかし、治療してもらってから数時間するころには、自分の身体の感覚がさらなる高みに達していることに気がついた。まるで魔法にでもかかったかのようなに清々しい気持ちになり、加えて以下のような変化を経験している。

1) エネルギーの大幅増量 → 背骨と頭蓋骨を中心に、身体全体から爽やかで心地よい力がみなぎり、心も今まで以上に元気になった。

2) 心の落ち着きの改善 → 毎朝やっている瞑想の時に、雑念が浮かんでくる量が劇的に減り、集中力も増大した。

3) 便通の大幅改善 → 赤ん坊がロケットを噴射するように排便するのと同じように、翌朝以降の便の勢いが大幅に増すようになった。

4) 睡眠時間の短縮 → それまでは毎日7-8時間ほど寝なくてはいけなかったが、初日は4時間半、それ以降も6時間以下の睡眠で、まるで9時間の深い眠りから覚めたかのように、前日の疲れが全て回復した状態で起きれるようになった。今での私の毎日の睡眠はだいたい5時間半くらいとなっているが、日中眠くなることもなければ、頭の回転が遅くなることもなり。コーヒーやカフェインも必要ない状態である。また、二度寝などもあまりできなくなった。


これらの効果は施術から時間が経てばたつほど顕著になり、その効果も一週間以上たった現在も続いているように感じている。45分で2万円という、決して安くない値段だが(もちろん、他にも安いプランはあります)、その効果がとても大きいことと、不摂生しなければ、それが少なくとも数週間は効果が長持ちすること(あくまでも私の経験に基づきます)を考えると、その値段にも納得できる。身体に悪い外食を何回かキャンセルして、それで浮かせたお金で治療を受けると思えば、その価値は十二分にある。身体の調子が上がるということは、生活の質を根本的にあげるので、これよりも価値のある投資はないかもしれない。

体験をもとに浮かんだ質問(もちろん以下の回答は、個人差に大きく左右されると察するが)

  • 天真修祓で「落ちやすい」業はあるのか。(よく治るものは何か)
  • 天真修祓で「落ちにくい」業はあるのか。(治せないものは何か)
  • 天真修祓で、いわゆる「悟り」は開けるのか。お坊さんだったらここに通えば修行をあまりせずにも業が落とせるのか。
  • 天真修祓をやるべき出ない人はいるのか。いるとすれば、どんな人なのか。

自分の健康を、これまでよりも一歩先のレベルに持っていきたい。そんな方には、天真修祓をオススメします。

(1) 「気」は厳密に言うと「粒子」ではなくて「振動」もしくは「波」に近いものである。その意味では、全ての物質の元である素粒子は「点粒子」ではなく、「一次元の拡がりを持つ波(ヒモ)」であるとするひも理論(string theory)や超弦理論と、「気」をエネルギーとして捉えることの親和性は高い。

(2)東洋医学と「気」に関しては、国立精神・神経センター国府台病院神経内科 「医療」編集委員長 湯浅龍彦の書いた良いエッセイ、「転機:東洋医学再考」を参照ください。

(3)これは、仏教などでは、業因や因業に対して業報や業果とも呼ばれている

(4)この指で輪っかを作ってやる検査はオーリング検査と呼ばれるものらしい。

(5)これは、頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)と呼ばれるものらしい。å

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